ポケットの中のおもいで
そんなこと,思ったことなかった。
私はぱちくりと目を丸くする。
「ねぇ,決めたよ,私! 薫は海を知らなすぎるから! 私が薫に教えてあげる。海を好きになって帰って?」
ぱっと広げられた両手。
その片方の手が私に向けられて,私は迷うことなくその手をとった。
____________________
海月はまず,砂浜に座った。
「これで,遊ぼう」
「砂? 海じゃなくてもあるよ」
「もー,分かってないなぁ。全然違うはずだよ? 触ってみて」
さらさらしてて,あったかい。
「ね? じゃあ見てて」
そうしたり顔を向けた海月。
言い返す言葉もなく,私は少しだけ興味を持って,海月の手元を同じようにしゃがんでじっと見つめた。
ただの砂が,形を持っていく。
「どう? お城!」
「うん,すごい!」
私はぱちくりと目を丸くする。
「ねぇ,決めたよ,私! 薫は海を知らなすぎるから! 私が薫に教えてあげる。海を好きになって帰って?」
ぱっと広げられた両手。
その片方の手が私に向けられて,私は迷うことなくその手をとった。
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海月はまず,砂浜に座った。
「これで,遊ぼう」
「砂? 海じゃなくてもあるよ」
「もー,分かってないなぁ。全然違うはずだよ? 触ってみて」
さらさらしてて,あったかい。
「ね? じゃあ見てて」
そうしたり顔を向けた海月。
言い返す言葉もなく,私は少しだけ興味を持って,海月の手元を同じようにしゃがんでじっと見つめた。
ただの砂が,形を持っていく。
「どう? お城!」
「うん,すごい!」