オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
「これ……どういう…ことですか?」

写真には、男性が一人と女性が二人並んで写っている。

男性は山下、女性の方は、

ーーーー母さんが……二人?

「理恵子は……二卵性の双子です。よく似てるでしょう」

俺は、写真から目が離せない。本当によく似てる、そっくりだ。

「……知らなかった……」

小さく声を、発したのは明香だった。

山下は、コーヒーカップから手を離すと、震えた掌をもう片方の掌で覆った。

「……私は……明香さんの父親で間違いありません。……そして……理恵子の……実の兄です」

「え?」

一瞬頭が、真っ白になって、言葉を忘れたかのように何もでてこない。俺は、ごくりと喉を鳴らした。

「それって……」

山下が、深くテーブルに頭を下げた。

「明香さんには……本当に申し訳なく思っています。僕らは禁忌を犯した。決しては犯してはならない一線を超えて……兄妹で」

「嘘……だろ…」

俺は、思わず声が漏れていた。そんな事って……。

山下賢一と平山理恵子の子供が、明香だということは、兄の山下と、妹の理恵子の禁忌の子が明香ーーーー?

俺達と同じで、兄妹で愛し合ったのか?

だから春樹は、明香を想って隠したのか?
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