オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
「……ごめんね……冬馬……」 

冬馬が、滲んで、水玉となって垂直に落ちていく。

「謝ることじゃ……ないだろ」 

「私……」 

「身体……冷えるから……」

冬馬がさっきより、より気遣うように、背中に手を当てると、助手席の扉を開けた。 

私が乗り込んで、冬馬も運転席に乗り込むと、後部座席の冬馬の黒いコートを、私のお腹に掛けた。

「……ありがとう……」 

「水?買ってこようか?」

「持ってるから」

私は、鞄の中のミネラルウォーター を取り出すと一口、口に含んだ。 

「トイレ行った時、未央さんが、気づいてくれて……春樹の検査結果待ちの間に、産婦人科で診てもらったの。いま2ヶ月に入ったばかりで……急に乗り物酔いしやすくなったり、食べれるものが食べれなくなったりするけど、安定期入る頃には、治ることが多いからって……」

冬馬は、私の瞳をじっと見つめながら、話を聞いていた。

「分かった……なるべくゆっくり走るから……気持ち悪くなったら言えよ?」 

「うん……」

頷いたら、やっぱり涙が溢れた。涙はいつになったらでなくなるんだろう。

いつになったら、このどうしようもない恋しさは、涙と一緒に、消えてくれるんだろうか。
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