オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
『  冬馬へ

この手紙を、冬馬が読んでいるなら、私は、もう、空に居るんだろうね。

私は、春樹と冬馬の妹として、三人で過ごした日々が宝物です。毎日、三人で、同じものを食べて、たわいないことで、笑って、三人で幸せを分け合えたこと、ずっと忘れない。

そんな、日々の中で、いつしか冬馬に、恋をして、私が変えてしまったのかもしれない。不細工な雪だるまを囲んだ三人の関係を。

互いの幸せを願うが故に、作り間違えてしまったのかもしれない。ごめんね。

何もかも捨てて、冬馬が、私だけを選んで、愛してくれたオリオンの夜が、生きていて1番幸せだった。

冬馬を、心から愛してる。きっと何度言っても足りない程に、愛してるよ。

でもね、私は冬馬と同じ位に、春樹も大切で、やっぱり離れられなかった。春樹がどれほど私を愛してくれて、支えてくれたのか、春樹が居なかったら、きっと弱い私は、とっくに壊れてしまっていたから。それなのに、私は春樹に何もしてあげられてなくて。

春樹との子供を授かった時に、お医者様から、子供と引き換えに命を失うかも知れないと話をされた時、私は決めたの。

たとえ何があっても、春樹との子供を産んで、春樹をお父さんにしてあげたい。家族を作ってあげたいって。

もう春樹を一人ぼっちにはさせたくなかったから。春樹が子供を抱いて幸せそうに笑う姿をどうしても見たかったの。

私と春樹の子供が、私達の幸せそのものだと思ったから。

あと、春樹には、私に何かあっても、冬馬にだけは言わないでとお願いしたの。

冬馬には、冬馬だけの幸せを見つけて欲しかったから。

いつか春樹のリハビリが終わって、病気が完治して、帰国する時に、この手紙を冬馬に渡してと託しました。勝手なことばかりしてごめんね。

冬馬、怒ってるかな?最後まで、ダメな妹でごめんなさい。
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