オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
あと、私が居なくっても泣かないでよね。

私は、空にいるの。冬馬のくれた、マフラーと同じ色の青空に浮かんで、夜になれば、星となって、いつも見てるから。いつも幸せを願ってるから。

私ね、冬馬と過ごしたオリオンの夜を、忘れたことなかった。
言ったよね?オリオン座の三つ星の真ん中は、私。いつもいつも春樹と冬馬の幸せを願ってる。

そして、冬馬を見下ろしながら、私は、愛してるって言うの。だから、冬馬も三つ星の真ん中を見るときだけ、私に愛してるって、言って。 

ーーーーあのオリオンの夜みたいに。

冬馬が大好き。きっと生まれ変わっても、私は、また冬馬に恋をするから。

次は、絶対離さないで、そばに居て。

冬馬に出会えて、愛して、愛してもらって、幸せだった。

冬馬を、心から愛してる。

               明香  』

気づけば、俺は、真っ白のカバーに包まれた骨壷を抱き寄せて、嗚咽していた。

ーーーーこれは夢だろう……?

こんなこと、信じるなんて到底できない。目の前の現実が、どうか夢であって欲しい。

明香が何をした?明香は何も悪くないだろう?それなのに、目の前の残酷な現実は、俺に容赦なく突きつけられる。 

もう明香の声は聞けない、笑った顔も、口を尖らせて拗ねた顔も、側にいてと泣いた顔も、何もかも、二度と俺の瞳に映せない。

何もかも、もうどんなに泣いても、願っても叶わない。
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