オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
『オリオンの三つ星を見上げる時だけ愛してると言って』
耳元で、明香の声が聞こえてくる。
「愛してる……何度でも言ってやるよ。明香を愛してる」
明香を愛して、愛してもらったこと、俺は忘れない。
互いの想いを、飲み込んで、唇を重ねた夜も、互いの温もりと想いを抱きしめ合って、眠った夜も、愛してると何度も、言葉にしながら、一つに重なりあった夜も、俺は、明香とのオリオンの夜を忘れることは、生涯ないだろう。
オリオンの三つ星を掠めるように、星が一筋流れた。
ーーーーただ、一つだけ、願いが叶うなら、次は兄妹として生まれないように。
『生まれ変わっても、私は、また冬馬に恋をするから』
「俺もだよ、必ず見つけてやるから。次は二度と離さない」
『冬馬を心から愛してる』
俺は、三つ星の真ん中に手を伸ばして、掌に包み込んだ。明香のぬくもりを思い出すように。明香の声を求めるように。明香の心を抱きしめるように。
星空からは、ふわりふわりと雪が、舞い降りてくる。
『冬馬』
俺は、舞い降りてくる、真っ白な雪を掌に乗せる。
『大好き』
すぐに解けて、溶けて、俺の心に明香の声と共に降り積もっていく。互いの想いは永遠に溶けることはない。
降り積もった想いは、いつまでも俺の心に結晶となって輝き続ける。明香に、また会えるその日まで。
『愛してる』
「明香を愛してる」
『冬馬の幸せをいつも願ってる』
ーーーー俺は幸せだよ。
夜空から降り注ぐ、明香の声に耳を傾けながら、オリオンの夜に、俺はゆっくりと瞳を閉じた。