今夜は恋に酔いしれたい
『どうして⁉奥さんとは、別れるって言ったじゃない!』

私は相手に詰め寄った。

『ごめん。タイミングが良かったみたいで。』

『私がいるのに、奥さんも抱いていたの?』

相手の人は、冷たい視線を私に投げかけた。

『夫婦なんだから、当たり前だろう。』


この人にとって、私は全てじゃなかった。

ただの浮気相手。

それを思い知らされたのだ。


そして一人オフィスで泣いている時に、咲岡課長と会ってしまった。

『どうした?仕事で辛い事でもあったのか?』

私はただ頭を横に振った。

『大丈夫です。放っておいてください。』

立ち上がると、そのまま咲岡課長に、抱き寄せられた。

『放っておけないよ。』

『課長……?』
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