あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「お、おい、お前! こんな《《盗み録り》》、いつの間にしたんだよ! 卑怯にも程があんだろ!」
周りのざわめきに顔を真っ赤にして岳斗へにじり寄ってきた笹尾の手が、岳斗の手にしたスマートフォンへと伸びてくる。それをパシッと叩き落とす形で躱すと、岳斗は勢い余ってよろめいた笹尾の腕を掴んで自分の方へ引き寄せると、笹尾の耳元……彼にだけ聞える声音で囁いた。
「ササオさん、自分で〝盗み録り〟って認めちゃってますよ? いま気が立ってらっしゃるみたいですし、冷静じゃない状態で下手な騒ぎ方をすると、罪を次々と肯定することになりかねません。ほら、みんなが見てますよ? 言動には気を付けて?」
楽しげにクスクス笑う岳斗の手元で、再生は現在進行形でなおも続いている。
【あんな上の方から落っこちてほとんど怪我してないって……落ち方うますぎっしょ。怪し過ぎますって】
志波のクスクス笑う声に続くように、【いや、俺だって全く無傷ってわけじゃねぇぞ?】と笹尾が言い訳する声がして、【それだってみんなに騒がれたから怪しまれないよう怪我したってことにしただけで……実際は痛くもなんともないんでしょう?】と笹尾を揶揄う声が聞えてくる。
そこに至る頃には、周りから「笹尾さん、最低」とか、「美住さん、完全に被害者じゃん」という声が聞こえ始めていて。
岳斗の背後で杏子が息を呑む気配がする。きっと、こんな風に自分の無実が証明されるだなんて思っていなくて、頭が現状についていけていないんだろう。
所在なげに胸前でギュッと握られたままの杏子の手が震えているのに気が付いた岳斗は、思わず彼女の手をあいている方の手でそっと包み込んだ。
周りのざわめきに顔を真っ赤にして岳斗へにじり寄ってきた笹尾の手が、岳斗の手にしたスマートフォンへと伸びてくる。それをパシッと叩き落とす形で躱すと、岳斗は勢い余ってよろめいた笹尾の腕を掴んで自分の方へ引き寄せると、笹尾の耳元……彼にだけ聞える声音で囁いた。
「ササオさん、自分で〝盗み録り〟って認めちゃってますよ? いま気が立ってらっしゃるみたいですし、冷静じゃない状態で下手な騒ぎ方をすると、罪を次々と肯定することになりかねません。ほら、みんなが見てますよ? 言動には気を付けて?」
楽しげにクスクス笑う岳斗の手元で、再生は現在進行形でなおも続いている。
【あんな上の方から落っこちてほとんど怪我してないって……落ち方うますぎっしょ。怪し過ぎますって】
志波のクスクス笑う声に続くように、【いや、俺だって全く無傷ってわけじゃねぇぞ?】と笹尾が言い訳する声がして、【それだってみんなに騒がれたから怪しまれないよう怪我したってことにしただけで……実際は痛くもなんともないんでしょう?】と笹尾を揶揄う声が聞えてくる。
そこに至る頃には、周りから「笹尾さん、最低」とか、「美住さん、完全に被害者じゃん」という声が聞こえ始めていて。
岳斗の背後で杏子が息を呑む気配がする。きっと、こんな風に自分の無実が証明されるだなんて思っていなくて、頭が現状についていけていないんだろう。
所在なげに胸前でギュッと握られたままの杏子の手が震えているのに気が付いた岳斗は、思わず彼女の手をあいている方の手でそっと包み込んだ。