あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「いえ、《《父》》の指示というわけではありませんが、こちらで僕の大事な女性がいわれのない誹謗中傷を受けているのを知りましてね」
岳斗の口からさらりと出た〝大事な女性〟という発言に近衛社長のみならず、杏子も息を呑んだのが分かった。だが当の岳斗は素知らぬ顔のまま続けるのだ。
「パワハラ・セクハラまがいのことまで起きているようでしたので急いで駆け付けてみたのですが……思いのほか状況が悪くてどうにも看過できなかったのです」
「そ、それは……」
「近衛社長の監督不行き届きとも取られかねない事態ですしね……場合によっては《《あの人》》に報告を上げねばならないかな? とも思っています」
《《にこやかに》》微笑む岳斗に、近衛社長が明らかに動揺したのが分かった。
「そ、それはどのような問題でしょうか? よろしければわたくしにお聞かせ頂けませんか? もしかしたらお父様の手を煩わせずとも対処できるかも知れません」
岳斗の不遜とも取れる態度を咎めもせず、そればかりかどこか下手に出ているようにさえ見える自社の社長の態度に、岳斗に食ってかかっていた安井がオロオロと視線を彷徨わせ始める。
近衛社長はそれを見逃さなかった。
「キミ……えっと……」
「経理課のヤスイアヤナさんです」
わざとらしく安井の所属とフルネームを示唆した岳斗に、安井が一瞬だけ恨みがましい目で岳斗を見たけれど、岳斗はしれっとしたものだ。
岳斗の口からさらりと出た〝大事な女性〟という発言に近衛社長のみならず、杏子も息を呑んだのが分かった。だが当の岳斗は素知らぬ顔のまま続けるのだ。
「パワハラ・セクハラまがいのことまで起きているようでしたので急いで駆け付けてみたのですが……思いのほか状況が悪くてどうにも看過できなかったのです」
「そ、それは……」
「近衛社長の監督不行き届きとも取られかねない事態ですしね……場合によっては《《あの人》》に報告を上げねばならないかな? とも思っています」
《《にこやかに》》微笑む岳斗に、近衛社長が明らかに動揺したのが分かった。
「そ、それはどのような問題でしょうか? よろしければわたくしにお聞かせ頂けませんか? もしかしたらお父様の手を煩わせずとも対処できるかも知れません」
岳斗の不遜とも取れる態度を咎めもせず、そればかりかどこか下手に出ているようにさえ見える自社の社長の態度に、岳斗に食ってかかっていた安井がオロオロと視線を彷徨わせ始める。
近衛社長はそれを見逃さなかった。
「キミ……えっと……」
「経理課のヤスイアヤナさんです」
わざとらしく安井の所属とフルネームを示唆した岳斗に、安井が一瞬だけ恨みがましい目で岳斗を見たけれど、岳斗はしれっとしたものだ。