深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
仕事帰りにコンビニで買い物をした後、どの辺がいいかなと考えながら、マンションのエントランスに入った。

「さやか、おかえり」

突然横から恭也が現れてきて、飛びあがりそうになる。

「わ、ビックリした……な、なんでいるの?」
「明日、予定ある?」
「どうして私の予定なんか、聞くの?」
「俺と一緒に小野田の家に行ってほしいんだ」
「恭也と一緒に? なんで?」

私は目をパチクリさせて、カバンの持ち手を握り直した。

どういう理由で、恭也のお父さんの家に行くというのだろうか。

私には、もう関係のないことなのに。

「正式に俺たちの結婚を認めてもらうためだよ」
「えっ……そんなの無理な話だよね?」
「無理じゃないよ。全部が守れるようになったから」
「全部って?」
「もちろん、さやかもだよ」

私は口をポカンと開けた。何を言っているのか、理解できない。

どういうこと?

「明日の午後一時
「うん、よろしく。じゃ、おやすみ」
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