深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
恐縮する恭也にお父さんは、右手を軽く振った。

「いやいや、いいんだけど……そうだ、古谷さんには昨日話したよ。残念そうにはしていたけど、納得してくれて、沙奈子さんにも話すと言ってくれた」
「ありがとうございます。本当にご迷惑をおかけしました」

恭也は落ち着いてはいるが、かなり緊張している。だいぶいろんなことを話すようにはなってきているとは言っていたが、まだ二人の間には壁があるように感じた。

だからと言って、今の私が何かをできる立場ではない。

典子さんがクッキーを食べるように勧め、私を真っ直ぐに見た。

「二人は、別れたと聞きましたけど」

私はカップを持ち掛けていた手を膝の上に戻し、姿勢を正した。紅茶を口まで運んでいた恭也もカップを置いて、姿勢良くした。

「私たちは一度別れましたが、昨日復縁しました。社長にはお話しましたが、古谷さんの会社と契約を結ばなくても良い道ができました」

典子さんは古谷さんとのことを聞いていなかったようで、驚いた顔をお父さんに向けていた。

お父さんは、コクリと頷く。

「実は、そうなんだ」

典子さんは困惑顔で、私たちを見てからお父さんに聞く。
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