深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
ドアを大きく開けた典子さんに恭也は「はい」と答えて、私の手を引いた。

「入ろう」
「うん……」

出迎えてもらったので、いつまでも外にはいられない。ようやく家の中に入った。

広いリビングルームに案内され、恭也のお父さんに挨拶した。

「初めまして、中田さやかと申します」
「初めまして、小野田恭一(きょういち)です」

お父さんの名前を聞き、親子の繋がりを感じた。それよりも二人は親子だとわかるくらい、良く似ていたが。

十名くらい座れるダイニングテーブルに恭也と並んで座った。お父さんが向かい側に腰を下ろすと、典子さんが紅茶を運んできた。

私は腰を浮かせた。

「あの、手伝います」
「ありがとう。でも、大丈夫よ。座っていてね」
「ありがとうございます」

座り直して、紅茶とクッキーが置かれるのを待った。普段は通いのお手伝いさんがいるそうだが、今日は休みらしい。

典子さんも座ったところで、恭也が口を開く。

「今日は突然のお願いにもかかわらず、時間を作っていただきまして感謝しています」
「予定が何もなかったから、平気だよ。ただ……恭也一人で来ると思っていたから、ビックリしたけどね」
「すみません、前もってお話していなくて」
< 114 / 176 >

この作品をシェア

pagetop