深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
認めてもらうまで説得すると、恭也は意気込んでいた。なんだか、拍子抜けした感がある。

思い違いをしていたのは、お父さんと典子さんだけではなくて、恭也もだった。お父さんが古谷さんとの結婚を希望しているから、自分の気持ちをわかってもらえないと思っていた。

お父さんは確かに希望していたが、恭也の気持ちを第一にと考えてくれていた。落ち込む恭也を見て、良かれと思い、古谷さんを勧めたのだった。

長い間、離れていた父子が分かり合えるようになるまでは、時間がかかるだろう。二人の架け橋になるのは難しいけれど、何か私にできることがあるといいな。

みんなが沈黙する中で、恭也を見た。私からの視線を感じたようで、こちらを見て「あ」と呟いた。

「お父さん、典子さん。証人になってもらえますか?」

突然のお願いにお父さんも典子さんもキョトンとした。私もだ。

証人とは、何の話だろうか。

「恭也、何を言っているの?」
「今回のことで、さやかを苦しめてしまった。だから、もう二度と苦しい思いや悲しい思いをさせないために、誓いたい」
「誓う?」
「ああ」
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