深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
成瀬に寄りかかったら、温かく包み込んでもらえるかもしれない。

でも……甘えられない。

「成瀬、ごめん……」
「もう、謝らないで。中田が謝らなくちゃいけないことなんか、何もない」

成瀬は小さく息を吐いて、「ねえ」と呼びかけた。

「俺と結婚するのは、嫌だ?」
「えっ?」
「どっち? 嫌だ? 嫌じゃない?」

思いがけない質問をされる。
それに、二択しかないの?

どちらかを選べというのなら……。

「嫌じゃないよ……でも、ほんとに私でいいの?」

自分に自信をなくしたばかりだから、不安になる。成瀬は力強く答えた。

「もちろん。中田がいい。中田しか欲しくない」

今日、私は彼に選ばられなかった。彼は私よりも若くてかわいい、妊娠した女を選んだ。浮気するような男に選ばれなくて良かったけど。

成瀬は私を選んでくれる。私が欲しいと言ってくれた。

成瀬のおかげで、自分はいらない人間じゃないと思えてくる。

成瀬のプロポーズは、私をどん底から引き上げてくれた。

高校卒業してから、私たちは別々の道を歩いていた。その道は交わらないと思っていた。

それが今になって、重なろうとしている。
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