深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
話している途中で鼻をすする音が聞こえて、落としていた視線を上げる。

そこには、涙ぐむ成瀬がいた。

「そいつ、最低なヤツだな。どうして中田を悲しませることができるんだ……俺があの時、諦めなければ中田は泣かずに済んだよね……俺はバカだ」

自分を責めるように言って、成瀬はまた鼻をすすった。

「成瀬のせいじゃないからね。悪いのは裏切った二人であって……」
「そんなの、わかってるよ。だけど、中田が泣くのは、嫌だ」
「嫌だって言われても」

ありえないくらい同情する成瀬を見ていたら、悲しかった気持ちが薄らいでいく。

こんなにも悲しんでくれる人、いないよ……。

私はどうして、あの時断ったんだろう。今さら後悔しても、過ぎ去った時間は戻せない。

「私の気持ちを理解してくれるのは嬉しいけど……だからね、別れたばかりなのに、すぐに切り替えるのは軽いというか、安易に成瀬と一緒になると決めるのは良くないと思う……」
「そんなことない。俺がしたいと望んでいるんだから、中田は負い目を感じなくていいんだよ」

私の手は、テーブルの上にあった。その手に成瀬の手が重なる。

そっと握る手からは、優しさが伝わってきた。
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