深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
「行かないとだよ」
「そうだな、行くか。今日、頑張れば明日は休みだ」
「うん、頑張ろー」

体を離して、笑い合う。

車だと通勤時間が短縮されて、十分ほどで勤務先前に到着した。

玄関先でのイチャイチャ時間があったものの、いつもより早くに着いた。

仕事をする前に、のんびりとコーヒーを飲めそうだ。

シートベルトを外しながら、恭也に笑いかける。

「ありがとう」
「うん、行ってらっしゃい」
「恭也もね。運転、気をつけて」
「おう!」

元気の良い返事をする恭也に手を振って、車を降りた。

夜まで会えないので、ちょっと寂しくなる。

最近の恭也はとにかく忙しくしているので、一日の業務が終わるまで滅多に連絡をしてこない。

私がメッセージを送っても、なかなか返ってこない。大した内容ではないが、ちょっと寂しくなることもあった。

なのに、今日の昼休みに珍しく恭也からメッセージが届いた。

休憩スペースでサンドイッチを食べていた私は、内容を確認する。

今夜、お父さんと食事をすることになったという連絡だった。

つまり、夕食を私と一緒に食べられないということよね?

わかったと、返信する。

一人きりの夕食なら、私も外で食べて帰ろうかな。
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