深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
若い子はイベント好きだから、記念日を大切にしてるかなと思った。予想通りの答えに、聞くだけで楽しくなる。

幸せそうで、何よりだ。

「温泉、楽しみですね」
「はい!」

昼休みの終わる時間に近くなっていた。周りにいる人たちが、動き出す。

私たちもゴミを捨て、執務フロアに戻った。

業務を始める前にスマホでメッセージを確認するが、何も届いていない。恭也は夜まで音沙汰なしかな。

一緒に暮らすようになって、夜に彼がお父さんと食事するのは今日で二回目だ。

親子の絆を深めるためのようけど、遠慮のない関係になかなかなれなく、断れないことが多いと言っていた。

明日は休日とはいえ、今夜も疲れて帰ってくるのが予想できて、体調が心配になる。

明日は部屋で、のんびり過ごそうかな。


三十分ほどの残業を終えてから、イタリアンレストランに行った。高林さんおすすめのパスタセットとグラスワインを頼む。

一人で食事している客は私だけだったが、スタッフは感じ良くて、料理は美味しかった。

恭也へ『ご飯食べて帰る』や『美味しい』とか料理の画像を送ってはいるが、見た様子はない。

レストランを出て、『今から帰る』とメッセージを送る。

風が吹いて、髪が揺れた。

儚げな三日月を見上げて、恭也を思い浮かべる。お父さんとの食事、少しでも楽しめているといいな。
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