深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
別離
私は恭也から離れようと決めた。

それもできる限り早くにだ。

彼は優しい。だから、私のことを一番に考えてくれる。

だが、そうすることで守りたいものが守れなくなる。

彼は多くの人を守るために、お父さんの後を継ぐと決意したのだった。

その決意を揺るがせているのは、私の存在。

あの日、再会したことで彼の考え方は変わった。

私がいなければ、お父さんからの要望を拒否することはなかったかもしれない。

私がいなければ、古谷さんとの縁談をすんなり受け入れたかもしれない。

そうしたら、彼は悩むことなく、仕事に没頭して輝かしい未来へと向かっていた。

私の存在が彼を苦しめている。考えなくてもいいことを考えて、困っている。

典子さんが言ったように、私は必要ない。私がいなければならないということは、何もないのだ。

恭也の出張は二泊三日。彼が帰宅する前に出ていこう。

翌日、自分の荷物を段ボール箱に詰めて、宅配業者に集荷してもらった。

この荷物をどこに運んだらいいのか、悩んだ。
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