21トリソミー
「じゃあ、香澄はどう思ってるの? 障がい者に対して何の偏見も差別意識もないなら、産む産まないで迷わなくない?」
奈子の意見にショックを受けて箸が進まない私をよそに、奈子は次々とおかずやご飯を口に運びながら話す。
「私は障がいを持った人を蔑視したことなんかない!! でも、自分はしなくても、する人はいるじゃん!!」
「……自分はしなくても」
奈子が私の反論を鼻で笑った。
「周りに蔑視されるのが嫌で迷ってるなら、尚更産まない方がいいんじゃない? そんなんで障がい者の親が務まると思う?」
「可能性は50パーセントじゃん!! ダウン症って決まったわけじゃない!! 奈子は結婚も妊娠もしたことないから簡単に堕ろせって言えるんだよ!! お腹に命がある感覚、分かんないから!!」
奈子のあんまりな言い方に、ムキになって言い返すと、
「そうだね。じゃあ、私には一生分かんないや。だから『聞くだけ無駄』って言ったのに」
奈子は乱暴に定食を口いっぱいに掻き込んで、「これ、私の分」と千円札をテーブルに置いて、店を出て行ってしまった。
奈子の意見にショックを受けて箸が進まない私をよそに、奈子は次々とおかずやご飯を口に運びながら話す。
「私は障がいを持った人を蔑視したことなんかない!! でも、自分はしなくても、する人はいるじゃん!!」
「……自分はしなくても」
奈子が私の反論を鼻で笑った。
「周りに蔑視されるのが嫌で迷ってるなら、尚更産まない方がいいんじゃない? そんなんで障がい者の親が務まると思う?」
「可能性は50パーセントじゃん!! ダウン症って決まったわけじゃない!! 奈子は結婚も妊娠もしたことないから簡単に堕ろせって言えるんだよ!! お腹に命がある感覚、分かんないから!!」
奈子のあんまりな言い方に、ムキになって言い返すと、
「そうだね。じゃあ、私には一生分かんないや。だから『聞くだけ無駄』って言ったのに」
奈子は乱暴に定食を口いっぱいに掻き込んで、「これ、私の分」と千円札をテーブルに置いて、店を出て行ってしまった。