21トリソミー
「無駄ってことはないでしょ。確かに奈子と私は他人だけど、友だちじゃん」

 突き放すような奈子の態度が悲しくて、離れるものかと『友だち』であることを強調する。三十にもなって友情を確かめ合うなんて、青すぎる。

 奈子は私の顔をチラリと見た後、店員さんが運んできた日替わり定食を受け取り、割り箸を割った。茶碗のご飯を右頬を膨らませて咀嚼し、飲み込むと、奈子が口を開いた。

「じゃあ、言う。私は友樹と同意見」

 冷たい態度の奈子の言葉は、やはり冷え切っていた。

 せめて『辛いだろうけど……』的な言葉を付けてから話してくれたらいいのに……。

「生まれた後に障がいが判明したのなら仕方がない。でも、産む前に可能性が分かっているなら、諦めた方がいいと思う」

「仕方がないって……。奈子は障がい者を【仕方がない人間】だと思ってるの!?」

 奈子のあんまりな言い方に、いっそ友だちじゃない赤の他人でいいかもしれない。と思うほど軽蔑した。
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