21トリソミー
「こんにちは、香澄さん。友樹には連絡してあったんだけど、もしかして私たちが来ること聞いてなかった?」

 お義母さんが、私の顔を見て察してくれた。さすが同じ女である。義両親が突如襲来することは、嫁にとっての地獄であることを、お義母さんもしっかり理解していた。

「……はい。すみません。なのでたいしたおもてなしが……」

 手に持っていた買い物バッグを覗き込む。見たところで二人分の材料しか買ってないことは分かっているのに。更に、冷蔵庫の中身がほぼないことも知っている。だって、ショックのあまり、検診帰りに買い物に立ち寄る気力がなかったのだから。

「いいんだよ。私たちの晩御飯は家に帰ってから食べるから」

 お義父さんはそう言うが、何も出さないわけにもいかない。家にお出しできる茶菓子があっただろうか? 冷凍庫に常備蓄えているアイスしか思い出せない。
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