旅先恋愛~一夜の秘め事~
その後、ふたりで婚姻届に記入した。

当たり前だが初めての経験に手が震えて、一字一字を書き込むのに緊張する。

手にはじっとりと汗が滲んでいた。

署名欄は後日お互いの両親に頼むことに決めた。

さらには必要書類が手に入り次第、婚姻届を提出すると言われた。


「本当は唯花と一緒に提出したいが、体調が心配だ。一日も早く入籍したいから最短の方法を取らせてくれ」


真剣な表情で説明され、同意する。

正直そこまで急がなくても、と思うが彼の憂いが少しでも払拭できるならそのほうがいい。



婚姻届を記入した翌週の土曜日、自宅マンションに引っ越しの手伝いにハトコが来てくれた。

お互いの両親に署名をもらい、不足書類を添付して、すでに婚姻届は提出し、正式に受理されている。


私の両親は現在、父の仕事の都合で札幌で暮らしている。

すぐに訪問できる距離ではないうえ、多忙な暁さんと両親の都合もなかなか合わず、まずは私が電話で結婚の報告をした。

恋人ができた、ではなく、結婚発言に両親は驚いていたが私が幸せならと祝福してくれた。
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