旅先恋愛~一夜の秘め事~
「暁さん、麗もありがとう……」
頬を伝う涙を拭いながら麗に頭を下げると、彼女は私の頭を優しく撫でた。
「ほら、顔を上げて。さっき私が自宅に到着したって堤さんに連絡したら、すぐに迎えに行くって椿森副社長から返事が来たの」
こそっと麗が耳元で囁く。
どうやら区役所の前で堤さんと麗は連絡先交換をして連絡を取り合っていたらしい。
私が帰るつもりなら暁さんに居場所を教えようとふたりで約束していたそうだ。
そうでないなら、私が落ち着くまで麗が預かる算段になっていたという。
幾人もの人が心配して助けてくれていたのだと知り、申し訳なさと有難さに胸がいっぱいになった。
堤さんには改めてお礼とお詫びを伝えたい。
「もう夜も遅いから気をつけてね」
口元を綻ばせたハトコが明るく見送ってくれる。
麗の自宅を出た私たちは、暁さんが乗ってきたタクシーに乗車して自宅へと戻った。
タクシーの中で暁さんは私の体調を尋ねたきり、ずっと無言だったが、絡めた指はずっと外されなかった。
後部座席に右隣に座る彼の顔色はあまり良くなく、いつもきっちり着こなしているスーツの襟元あたりも少し乱れている。
普段とは違う彼の様子に負担をかけてしまったと申し訳なさがこみ上げた。
頬を伝う涙を拭いながら麗に頭を下げると、彼女は私の頭を優しく撫でた。
「ほら、顔を上げて。さっき私が自宅に到着したって堤さんに連絡したら、すぐに迎えに行くって椿森副社長から返事が来たの」
こそっと麗が耳元で囁く。
どうやら区役所の前で堤さんと麗は連絡先交換をして連絡を取り合っていたらしい。
私が帰るつもりなら暁さんに居場所を教えようとふたりで約束していたそうだ。
そうでないなら、私が落ち着くまで麗が預かる算段になっていたという。
幾人もの人が心配して助けてくれていたのだと知り、申し訳なさと有難さに胸がいっぱいになった。
堤さんには改めてお礼とお詫びを伝えたい。
「もう夜も遅いから気をつけてね」
口元を綻ばせたハトコが明るく見送ってくれる。
麗の自宅を出た私たちは、暁さんが乗ってきたタクシーに乗車して自宅へと戻った。
タクシーの中で暁さんは私の体調を尋ねたきり、ずっと無言だったが、絡めた指はずっと外されなかった。
後部座席に右隣に座る彼の顔色はあまり良くなく、いつもきっちり着こなしているスーツの襟元あたりも少し乱れている。
普段とは違う彼の様子に負担をかけてしまったと申し訳なさがこみ上げた。