旅先恋愛~一夜の秘め事~
「俺の一方的な行動だし謝る必要はない。道に迷っている唯花に出会って、ホテルで再会して、唯花に会うと楽しいと感じている自分に気づいた。自分の気持ちに正直で裏表のない、嘘のつけない真っ直ぐさが眩しかった」


突如変わった話の行方を少し不思議に思いつつ、耳を傾ける。


「自分の気持ちを図りかねて、唯花に会って確かめたいと言い訳をしては会う口実を必死に作っていた……無意識にずっと惹かれていたんだ。それでも自分には捜している女性がいると必死にブレーキをかけていた」


困ったように眉根を寄せながら、真剣な口調で話す。


「けれど一緒に過ごせば過ごすほど湧き上がる恋情を隠せなくなって、恋をしていると自覚した……三年前の女性にあれほど深く抱いていた想いをこうも簡単に忘れるのかと自分の薄情さ、身勝手さ、移り気な気持ちに愕然としたんだ」


真っ直ぐな感情を向けられて、胸の奥がじんわりと熱くなった。


「そのすぐ後に、唯花のマークを見て息が止まった気がした」


ずっと捜していた女性が眼前にいる、とはやる気持ちを抑えるのに苦労したと暁さんは口にする。
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