旅先恋愛~一夜の秘め事~
『本当にふたりとも不器用ね。今、私に話した内容をそのまま椿森副社長に伝えればいいのよ。お互いに言葉が足りなさすぎるの。長い付き合いでもないのに、本心をきちんとさらけ出さないから誤解ばかり生じるのよ』


先ほどの親友の忠告が脳裏に浮かぶ。

麗の言った通りだ。

私たちはお互いを傷つけるのが怖くて、相手の気持ちを推測して行動してしまっていた。


「……ごめんなさい。私がもっと早くに本心を告げて、素直に“大切な人”は誰かきちんと尋ねたらよかったの。道に迷った私を助けてくれたあの日から、きっと私は暁さんに恋をしていたの。ずっと好きだった」

言葉にした途端、気持ちとともに涙が溢れ出す。

涙を長い指で丁寧に拭いながら、暁さんが私の目を覗き込む。


「たくさん悩ませて傷つけて悪かった。二度と傷つけないと誓うから、どうか俺とこのまま夫婦として、これから先の人生をともに歩んでくれないか?」


私を見つめる真摯な眼差しから目を逸らせない。

ドクンドクンと心臓が早鐘を打つ。
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