旅先恋愛～一夜の秘め事～

麗に無事到着した旨をメッセージで送る。

すぐに既読になり返信がきた。

ハトコも東京の自宅に戻っているようだった。

見合いを放棄したため、案の定母親はご立腹らしいが当の本人は喜んでいた。

ちなみに件の御曹司は元々見合いの認識がなかったので、あっさり視察だけ済ませて引き上げたそうだ。

今は通話ができないので、明日また話そうと麗から再びのメッセージが届いた。

了承スタンプを送信後、簡単に荷解きをして、浴室に向かう。

予想以上の豪華さに圧倒されつつも、素晴らしいアメニティに心が奪われる。

一日歩きまわった足はすでに限界を迎えていて、ぽふっとベッドに横になるとすぐに睡魔が襲ってきた。

完全に瞼が閉じる瞬間、出会った美麗な男性の姿が浮かんだ。

もしどこかでもう一度会えたらきちんとお礼を伝えたい。

親切な人だったな、となぜかざわつく胸を抱えながら夢の世界へ旅立った。