旅先恋愛~一夜の秘め事~
私の後頭部を大きな手で引き寄せた暁さんが、再び唇を奪う。
「きょう……さ、ん……」
絶え間なく続く口づけに翻弄されながら、名前を呼ぶ。
頭の中がぼうっとして足から力が抜ける。
流されてはダメだと心の中で必死に警鐘を鳴らすのに抗えない。
今の私たちは、お互いの気持ちがきちんと嚙み合っていない。
不安定な恋心を抱えたまま再会し、募る想いを再認識してしまった。
ならば想いを伝え、傷つく結果になろうとも彼の気持ちを尋ねるべきだ。
震える指で必死に胸を押し返すが、びくともしない。
そのとき、室内にノックの音が響いた。
名残惜し気に唇を離した彼が、鋭い視線を扉に向ける。
「副社長、失礼します」
扉が開き、私をここに連れてきた男性が姿を見せた。
「……今日の業務は終えたはずだが」
「綿貫様とのお話は終わりましたか?」
男性は不機嫌さを露わにする暁さんをもろともしない。
男性の視線に、慌てて暁さんから離れようとするが、彼の腕は私を捉えたままだ。
「久しぶりの再会で離れがたいのはわかりますが……しつこい男は嫌われますよ」
「余計なお世話だ。唯花、秘書室長で社長秘書の加住だ。京都で紹介した堤の従兄妹だ」
「は、はじめまして、綿貫唯花です」
恥ずかしさと混乱に狼狽えつつ、名乗る。
「加住葎と申します。先ほどは突然お呼び立てして申し訳ございません」
「いえ、わ、私はもう失礼いたします」
早口で告げると、なぜか加住さんが暁さんに厳しい目を向けた。
「きょう……さ、ん……」
絶え間なく続く口づけに翻弄されながら、名前を呼ぶ。
頭の中がぼうっとして足から力が抜ける。
流されてはダメだと心の中で必死に警鐘を鳴らすのに抗えない。
今の私たちは、お互いの気持ちがきちんと嚙み合っていない。
不安定な恋心を抱えたまま再会し、募る想いを再認識してしまった。
ならば想いを伝え、傷つく結果になろうとも彼の気持ちを尋ねるべきだ。
震える指で必死に胸を押し返すが、びくともしない。
そのとき、室内にノックの音が響いた。
名残惜し気に唇を離した彼が、鋭い視線を扉に向ける。
「副社長、失礼します」
扉が開き、私をここに連れてきた男性が姿を見せた。
「……今日の業務は終えたはずだが」
「綿貫様とのお話は終わりましたか?」
男性は不機嫌さを露わにする暁さんをもろともしない。
男性の視線に、慌てて暁さんから離れようとするが、彼の腕は私を捉えたままだ。
「久しぶりの再会で離れがたいのはわかりますが……しつこい男は嫌われますよ」
「余計なお世話だ。唯花、秘書室長で社長秘書の加住だ。京都で紹介した堤の従兄妹だ」
「は、はじめまして、綿貫唯花です」
恥ずかしさと混乱に狼狽えつつ、名乗る。
「加住葎と申します。先ほどは突然お呼び立てして申し訳ございません」
「いえ、わ、私はもう失礼いたします」
早口で告げると、なぜか加住さんが暁さんに厳しい目を向けた。