旅先恋愛~一夜の秘め事~
「……副社長、まさかまだ話されていないのですか?」
「話そうと思っていたら、お前が来たんだ」
「今から準備をいたしますので、その間にきちんとお話をなさってください」
加住さんが淡々と言って、再び部屋を出ていく。
扉が閉まった途端、暁さんが片眉を上げ私に向き直る。
「さっきの話の続きだが、お前がいなくなってどれだけ心配したと思う?」
大きな手のひらを私の片頬に沿わせた彼が、少し屈んで尋ねる。
「腕に抱きしめていたはずの唯花を必死に捜した」
切れ長の二重の目が私の目を覗き込む。
悲し気な様子に胸の奥が罪悪感で痛む。
「……なにかあったのか、事故や事件に巻き込まれたのか、ずっと気になっていた。あの日からずっとお前のことを考え続けてきた」
額に唇で優しく触れられ、心が軋む。
「本当にごめんなさい……」
「こうして会えたからもういい。でも悪いと思うなら、俺の頼みを聞いてくれるか?」
後ろめたさから即座にうなずくと、彼は花が綻ぶような笑顔を見せた。
「この後、俺と一緒に過ごしてくれないか?」
「仕事はいいんですか?」
「ああ、もう終わらせた」
「……わかりました」
出会った頃より今の自分は冷静になっているはずだ。
もう一度、自分の恋心を見つめなおしてみよう。
「ありがとう。じゃあ行こう」
「話そうと思っていたら、お前が来たんだ」
「今から準備をいたしますので、その間にきちんとお話をなさってください」
加住さんが淡々と言って、再び部屋を出ていく。
扉が閉まった途端、暁さんが片眉を上げ私に向き直る。
「さっきの話の続きだが、お前がいなくなってどれだけ心配したと思う?」
大きな手のひらを私の片頬に沿わせた彼が、少し屈んで尋ねる。
「腕に抱きしめていたはずの唯花を必死に捜した」
切れ長の二重の目が私の目を覗き込む。
悲し気な様子に胸の奥が罪悪感で痛む。
「……なにかあったのか、事故や事件に巻き込まれたのか、ずっと気になっていた。あの日からずっとお前のことを考え続けてきた」
額に唇で優しく触れられ、心が軋む。
「本当にごめんなさい……」
「こうして会えたからもういい。でも悪いと思うなら、俺の頼みを聞いてくれるか?」
後ろめたさから即座にうなずくと、彼は花が綻ぶような笑顔を見せた。
「この後、俺と一緒に過ごしてくれないか?」
「仕事はいいんですか?」
「ああ、もう終わらせた」
「……わかりました」
出会った頃より今の自分は冷静になっているはずだ。
もう一度、自分の恋心を見つめなおしてみよう。
「ありがとう。じゃあ行こう」