旅先恋愛~一夜の秘め事~
しばらくして玄関の呼び出し音が鳴り、暁さんが玄関に向かった。
誰かの話し声が聞こえ、すぐに暁さんが戻ってきた。
手には三つの大きな紙袋を提げている。
「誰が来ていたの?」
ゆっくり体を起こしながら尋ねる。
「葎だ。とりあえず今すぐ必要なものを持ってきてもらった。体調のよくないお前をひとりにしたくないから、さっきコインパーキングで頼んだんだ」
俊敏な対応と過保護ぶりに驚く。
キッチンに向かった彼は温かいほうじ茶を淹れてくれた。
カップを持ち上げると冷えていた指先に温かな熱が伝わり、ほっとひと息ついた。
「唯花、体がつらいところ悪いがこれを書いてくれ」
差し出された茶色い枠組みのある紙を目にして、呼吸が止まりそうになった。
「これ……なんで? 本気、なの?」
目の前のセンターテーブルに置かれた薄い紙は、婚姻届だった。
どうして妊娠を伝えたその日に入籍しようとするのかわからない。
もしかして……責任を感じているの?
さっきまで別離を覚悟していたのに、突然事態の変化に理解が追いつかない。
「もちろん本気だ。俺は唯花とお腹の子どもを法的にもきちんと守りたい」
「気持ちは有難いけれど、こんな唐突に決めなくても……」
「今回のように、唯花がひとりでなにもかも抱え込んで傷つくのは嫌だ。お前を誰かに奪われたくないし、一番に守る権利がほしい」
静かな口調で情熱的な台詞を口にする。
表情こそあまり変わらないが、綺麗な目はどこか不安そうに揺らいでいる。
誰かの話し声が聞こえ、すぐに暁さんが戻ってきた。
手には三つの大きな紙袋を提げている。
「誰が来ていたの?」
ゆっくり体を起こしながら尋ねる。
「葎だ。とりあえず今すぐ必要なものを持ってきてもらった。体調のよくないお前をひとりにしたくないから、さっきコインパーキングで頼んだんだ」
俊敏な対応と過保護ぶりに驚く。
キッチンに向かった彼は温かいほうじ茶を淹れてくれた。
カップを持ち上げると冷えていた指先に温かな熱が伝わり、ほっとひと息ついた。
「唯花、体がつらいところ悪いがこれを書いてくれ」
差し出された茶色い枠組みのある紙を目にして、呼吸が止まりそうになった。
「これ……なんで? 本気、なの?」
目の前のセンターテーブルに置かれた薄い紙は、婚姻届だった。
どうして妊娠を伝えたその日に入籍しようとするのかわからない。
もしかして……責任を感じているの?
さっきまで別離を覚悟していたのに、突然事態の変化に理解が追いつかない。
「もちろん本気だ。俺は唯花とお腹の子どもを法的にもきちんと守りたい」
「気持ちは有難いけれど、こんな唐突に決めなくても……」
「今回のように、唯花がひとりでなにもかも抱え込んで傷つくのは嫌だ。お前を誰かに奪われたくないし、一番に守る権利がほしい」
静かな口調で情熱的な台詞を口にする。
表情こそあまり変わらないが、綺麗な目はどこか不安そうに揺らいでいる。