空を見上げて~優しい風 次世代編~
訳が解らない奴だ。

フラれるの解ってて告白して、
返事が欲しい訳でもなくて、
これじゃまるで言い逃げだ。

「どうした?」と玲音が言った。

「告白された。
しかも訳が解らん。」

「えー、見して。」

「嫌だよ。」

「お前、声出たとたん
はっきり言うなぁ。」

「ふふ、そうかな?」

「そうだよ。」

僕は少しだけ嬉しかった。

声が出ること、出なくなる前は
当たり前だから特に
何も思わなかったけど、
失くした後復活すると、
ありがたみをすごく感じる。

告白の返事は出さないでおいた。

中川も望んでいる風ではなかったし。
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