姪っ子と私
「美玲ちゃん、寝そうだから、もうちょっとこのまま抱っこするね。その後、知春さんの診察して、点滴しよう」
「やっぱり、点滴するんですか?」
「うん、するよ。注射、苦手?」
「はい・・・」
「ま、好きな人はいないけど・・・。美玲ちゃんの世話と知春さん自身の回復と考えるとちょっと強めに薬入れてあげる方が良いと思う。できるだけ症状を抑え込んで体を休めてあげないとね。。。美玲ちゃん、眠ったよ」
「すみません。こちらに・・・」って寝室に案内した。
寝室には子供用のベッドと私のベッドを並べて置いてある。

先生は、子供用のベッドに美玲を寝かせると
「じゃ、知春さんもベッドに腰掛けて」って言って、持ってきてたバッグを取ってきた。
聴診器を出して、「ちょっと診察しますね」って胸に聴診器を当てて、深呼吸するように言われた。
「医院でもちょっと気になったんですが、知春さんは、喘息ありますか?」
「えぇっと子供の時には小児喘息だったんですが、大人になってからはないです」
「そうですか。ちょっとだけ呼吸音に雑音があるので、咳が出るかもしれないです。一過性のものかな?熱は・・・」って体温計ではかって「39度・・・どんどん上がってるけど、相当しんどいでしょ?それとも熱に強い?」
「う〜ん、しんどいんですけど、気を張ってるというか・・・」
「そうですよね。美玲ちゃんがいると、簡単に休めないですもんね。それじゃ、点滴して様子見ましょう。横になって・・・。左腕で良い?」って左腕を取って、駆血帯を巻いた
「チクってしますね〜」
チクってして痛みがきた。
「入りましたよ。もう痛みは引いたでしょ?」
「はい」
「じゃ、点滴終わったら起こすから寝てて良いですよ」
「でも・・・先生、本当にすみません。美玲と二人なので、こんなにしてもらって申し訳ないです。」
「いいんですよ。聞いても良いですか?美玲ちゃんは、知春さんの子ども?さっき、リビングに写真が・・・」
「美玲は、双子の姉の子です。美玲が6ヶ月の時に姉が事故で亡くなって、私が引き取ったんです。出産経験もないのに、シングルマザーみたいなもんです」
「6ヶ月で・・・。大変だったでしょう?」
「はい、でも、皆さんに助けてもらっています。先生もですが、先生のお父様の先生やお母様にもいつも良くしてもらってます。」
「それでも、こうやって美玲ちゃんと共に倒れてる時なんかはどうやって?」
「保育園に行けない日で仕事も休めない時はシッターさんに頼んだりしてます。実家の両親は、仕事もあるし、祖父母の介護もあって頼めなくて・・・」

先生と点滴している間、美玲の子育ての話など色々と話をしていた。
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