クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
「お先に失礼します」
笑みを浮かべて裏口から店を出ようとしたところで、瑞樹君が追いかけてくるのが分かった。
「上月、大丈夫か?」
「ごめんね。関係ないのに巻き込んじゃって」
あんな場所に居合わせてしまった彼には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「関係なくなんてない」
「え?」
低いなぜか怒りすら感じるような声に、私は彼の顔を見上げた。
いつも飄々と軽い感じがする彼の初めて見る真剣な瞳に、私は息を飲んだ。
「ずっと、好きだった。こんな時にいうなんて卑怯だとは思うけど、離婚するならして俺にしないか?」
真っ直ぐに伝えられたその言葉に、自分の鈍感さを痛感する。長い間、同じ時間を過ごしてきたのに、まったくそのことに気づいていなかった。
きちんと誠実に答えなければ、そう思い私は大きく息を吸い込んだ。