クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
お義当様をまだ見据えている凛久に、私はたしなめるように腕を取る。そんな時、不意にお義当様が声を上げて笑い出した。

私はその姿にポカンとしてしまう。

「そんな怒ることないだろう? 本当は嬉しいんじゃないか?」
いきなり声音が優しいものに変わり、お義父様は立ち上がった。

「それは……」
凛久もそれを否定することなく口ごもる。どうして凛久が嬉しくなるというのだ。
訳が分からない私の前にお父様はゆっくりと歩いてきた。そのオーラを目の前にして私は背筋をただした。

「瑠璃さん」
初めてきちんと目を見て名前を呼ばれ、一瞬返事がおくれてしまう。

「はい」

「何か行き違いがあったようだ。試すような真似をして本当に申し訳ない」
静かに頭を下げられ、意味がわからないがそれを慌てて制する。

「いえ、あの。頭をお上げください」
慌てている私に、凛久が「それで済むと思うなよ」と呟いた。

「どういうことですか?」
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