クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
そう言いながら、俺は反対側に滑り込んだ。キングサイズで十分広さはあるが、俺はあえて距離を詰めるように瑠璃に近づく。

「何もしないっていったけど、少しぐらいは瑠璃も俺に慣れないとな」
瑠璃に触れる言い訳を伝えれば、俺に背を向けている瑠璃の首筋が赤く染まる。
見えないがきっと頬も真っ赤だろう。これ以上何かを言って、ここから出ていかれても困る。

そう思い、欲を何とか抑えると、そっと後ろから瑠璃を抱きしめた。
柔らかくてすっぽりと俺の腕に納まる瑠璃。俺と同じボディーソープのはずなのに、もっと甘い香りに感じるのはなぜだろう。

「力抜いて」

「そんなこと言われても」
抜いてと言われてできれば、初めから緊張していないだろう。

そう思うと、俺はおもむろに瑠璃のわき腹をこそぐった。そうすれば瑠璃は身をよじるように笑い声をあげた。

「ほら、力抜けただろう。さあ寝よう」
もう一度後ろから瑠璃を抱き寄せれば、今度は俺に身体をあずけてくれたのが分かった。

「凛久さん、おやすみなさい」
初めてこんな近距離で聞く瑠璃のそのセリフに、俺の顔は緩みっぱなしかもしれない。
今この顔を見られなくてよかった。そう思いながら俺は目を閉じるも、意外と早く聞こえてきた彼女の寝息を感じて、眠れない夜を過ごした。
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