クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
副社長という立場で一緒に俺とやってくれているのだから、雅也の意見も聞く必要性があるのはわかっている。

しかし、これは俺が資産運用したものであるし、会社には迷惑をかけていない。そう思っていた時だった。

「いや、そんなこと言うわけないだろう。お前の資産はお前の好きにすればいい」

「じゃあなんだよ」
訝し気な表情を浮かべた俺に、雅也はタブレットを操作しながら言葉を続ける。

「いや、いいことだと思ってるよ。昔のお前は女なんて興味がなかっただろ?」

「失礼だな。それなりに誠意をもってお付き合いしていたよ」

「誠意ね……」
呆れたような物言いに、俺は雅也を睨みつけた。

「何が言いたいんだよ」

「いい傾向だってことだよ。まあ頑張れよ」
今までとは違う柔らかな声に俺は驚いた後、「ありがとう」と口にした。
俺だってわかっている。今までとは違うこの気持ちを。自ら声をかけたのも、こんなふざけた計画を思いついたのも。

瑠璃を手に入れたいそれだけだ。

俺はスマホを手に取り、翠光園へと電話をする。
「社長はいらっしゃいますか?」
仕事中はスマホにも出ない瑠璃の父親の所在を確認する。
店にいることを知り、俺はバッグを手にすると翠光園へと向かった。

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