年下セフレはクールな部下
「政人さん!」

呼びかけると、夫は振り返った。

手を振ったけれど、夫は気づいていない。

そして、夫に駆け寄る女性が一人。

「えっ……」

彼女は嬉しそうに夫に話しかけ、腕を組み歩いている。

それを目撃した私は、胸に何かが刺さった気がした。


どこに行くの?二人で。

私は密かに、二人を尾行した。

そして夫と女性が辿り着いた場所は、ラブホテルだった。

入り口のドアが開いて、夫はその女性と一緒に入って行く。

呆然としてしまった。

私は今から、夫の為に夕食を作ると言うのに。

夫はあの女性と、今からセックスするのだ。


私は呆然としたまま、ゆっくりと歩き出した。

荷物が重い。

こんな重い物、投げ出してやりたかった。
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