大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
 というか、それ以前に、そろそろ我慢も限界なのだが。

 少女たちはずっと自分を見ている。

 彼女らの夢を壊していいものか……。

 行正の側で、咲子は青ざめていてた。

 そんな咲子を行正は黙って眺めている。

 咲子はお手洗いのことを考えないようにしようとした。

 すると、余計に頭に浮かんでくる。

 気を散らそうとした。

 段々心が宇宙の深淵に向かっていく。

 この間、行正と見た星空が頭に浮かんだ。

 結局、なにひとつ星座を答えられず、ルイスが自分のことをなんと言っていたかも教えてもらえなかったのだが――。

 宇宙の真髄(しんずい)を見ようとした咲子は、そのうち、おのれは何者かとか考えはじめた。
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