大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
 


 ルイスと懇意にしているという日本人の牧師がいる木造の教会だった。

 二人だけで結婚式をするのだが。
 逃してくれた咲子たちにも立ち会ってほしいと言う。

 文子は牧師の妻に借りたという簡素な白いウエディングドレスを着ていたが。

 それが文子のおとなしめの可愛らしい顔を引き立てていて素敵だった。

「このようなヒトを奥サンにできるとか感激です」
と満面の笑みでルイスは言う。

「ルイス先生、文子さんをよろしくお願いします」
と咲子は頭をさげたあとで、ふと、訊いてみた。

「それにしても、私、お二人の関係にまったく気づかなかったのですけれど。
 一体、いつからお二人は恋仲に?」

 二人は顔を見合わせる。

「いえ、別にそういうわけでは……」
と二人とも言った。
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