大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
 怪我が治り、清六が戻ってきたようだ。

 庭を見ると、女中たちが清六を取り囲み、盛り上がっている。

 咲子も窓際に寄り、相変わらず精悍な清六の横顔を見つめ、微笑んだ。

「よかった。
 思ったより、早く良くなられたみたいで」

 だが、横に立つ行正は、

「……清六。
 刀のサビにしてくれる」
と清六を見据え、呟いている。

 何故ですかっ。
 清六さん、帰ってきただけですよっ。



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