青い星を君に捧げる【零】
エレベータに乗って高層階へ運ばれる。降りてすぐある部屋に入ると靴が片方ないから、とベットの上に優しく下された。


男は慣れたように真っ暗な中でも部屋の電気をつける。

改めて見た男の顔には私の殴った方の口の端が切れていて血が乾いてついていた。それに腕とか他のところも細々とした傷があった。


この男に私を殺す様子が見受けられない。だからか嫌いだと嫌悪していたのに多少なりの罪悪感を感じる。


「さっきは、ごめんなさい」


隣に座るようベッドをぽんぽんと叩く。迷ったように首の後ろをポリポリと掻いた後、彼はぎこちなく隣に座った。


「あー……謝るべきは俺の方。あなたを危険に晒した」


「……それで?聞くけど本郷家の何を探ってるの」


あちゃー忘れてなかったか、と言う男に脚を組んで睨んだ。優しくしてくれるのはわかったけど、それはそれ、これはこれでしょ。


「俺は本郷家の味方だよって言ったら信じます?」


「いいえ、全く」


「……キッパリしすぎてもはや清々しいくらいだ」



困ったように笑う男の子。んーどうしようかな、と顎に手を置いて考えている。


「あっ!!そうだ。これみて」
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