青い星を君に捧げる【零】
男は私を抱えて走り出す。目の前には硬い胸板とあたたかさ。膝裏と背中に男の腕が回っている。
「殺すんだったら今殺せばいいじゃない!!」
視線を男に向けると月に照らされ顔がしっかりと見えた。男と視線が絡む。ほんの少しだけ驚いたように目が大きく開かれた。
それと同時に私もどきりと胸が鳴った。どうしてこの人が……。
「……俺はあなたを殺したりなんかしないよ」
添えられていた腕に少し引き寄せられる。どこをどうすればこの男は私を信用できるのだろう。
あの会食の日、最悪、嫌いと決別した彼だった。
なんでよりにもよってこの人なの。腕の中で身動ぐが全く動じることがない。
諦めようと力を抜いてため息を吐いた。
「ねぇあなたがいきなり担いで走り出したせいで靴、片方落としたんだけど」
「……それはごめんね。いつか返すよ、でもシンデレラっぽくていいんじゃn「もう一発殴ってもいいかな?」……冗談です、はい」
先日とは全く違う態度の変化に丁寧な対応をしていた自分がバカらしくなった。
しばらく経って、高いビルの裏口みたいなところに連れてこられた。中は案外綺麗で掃除が行き届いているようだ。
「殺すんだったら今殺せばいいじゃない!!」
視線を男に向けると月に照らされ顔がしっかりと見えた。男と視線が絡む。ほんの少しだけ驚いたように目が大きく開かれた。
それと同時に私もどきりと胸が鳴った。どうしてこの人が……。
「……俺はあなたを殺したりなんかしないよ」
添えられていた腕に少し引き寄せられる。どこをどうすればこの男は私を信用できるのだろう。
あの会食の日、最悪、嫌いと決別した彼だった。
なんでよりにもよってこの人なの。腕の中で身動ぐが全く動じることがない。
諦めようと力を抜いてため息を吐いた。
「ねぇあなたがいきなり担いで走り出したせいで靴、片方落としたんだけど」
「……それはごめんね。いつか返すよ、でもシンデレラっぽくていいんじゃn「もう一発殴ってもいいかな?」……冗談です、はい」
先日とは全く違う態度の変化に丁寧な対応をしていた自分がバカらしくなった。
しばらく経って、高いビルの裏口みたいなところに連れてこられた。中は案外綺麗で掃除が行き届いているようだ。