青い星を君に捧げる【零】
部屋に入ればベッドは膨らんでて……と想像していたが、それは違った。室内は綺麗にベッドメイキングされ、カーテンが開かれ眩しい日が差し込めている。
まるで彼女がいた痕跡がない。そう思ったけれど、俺がいるドアの近くに申し訳なさそうに片方だけの靴が置かれていた。そこには紙切れも挟まっている。
『さっきはありがとう。借りた服などは洗濯して後日こちらに送ります。そこにある靴は適当に処分しておいてください』
あんなに俺に対して強気だったのに丁寧な人だなぁとクスリと笑う。それに字が綺麗。習字でもやってそうな感じ。この前、俺のことを睨み、嫌悪していた女の子とはまるで思えなかった。
______ドンドンドン
「おーい、佑真!!二度寝なんてしてねぇだろうな!!」
「はーいー起きてるよ」
今にも突撃してきそうな敦に見つかると面倒そうなので靴を部屋の奥に押しやり隠した。彼女、靴が片方無くて裸足で帰ったりしてないだろうか。それにまだ日も明け切らないうちに1人で出て無事に帰れただろうか。
いろんな心配事が浮かんでは連絡手段がないので消えていく。もっとちゃんと彼女について聞いておけばよかった、と今更後悔する。きっと偶然ってレベルではもう会えない。
本郷家の姫である彼女にそこらの総長が気軽に会えるわけがないのだ。
“運命”というものがあるのなら。それが俺たちを導かないかぎり無理だろうな……と一人寂しく思った。
まるで彼女がいた痕跡がない。そう思ったけれど、俺がいるドアの近くに申し訳なさそうに片方だけの靴が置かれていた。そこには紙切れも挟まっている。
『さっきはありがとう。借りた服などは洗濯して後日こちらに送ります。そこにある靴は適当に処分しておいてください』
あんなに俺に対して強気だったのに丁寧な人だなぁとクスリと笑う。それに字が綺麗。習字でもやってそうな感じ。この前、俺のことを睨み、嫌悪していた女の子とはまるで思えなかった。
______ドンドンドン
「おーい、佑真!!二度寝なんてしてねぇだろうな!!」
「はーいー起きてるよ」
今にも突撃してきそうな敦に見つかると面倒そうなので靴を部屋の奥に押しやり隠した。彼女、靴が片方無くて裸足で帰ったりしてないだろうか。それにまだ日も明け切らないうちに1人で出て無事に帰れただろうか。
いろんな心配事が浮かんでは連絡手段がないので消えていく。もっとちゃんと彼女について聞いておけばよかった、と今更後悔する。きっと偶然ってレベルではもう会えない。
本郷家の姫である彼女にそこらの総長が気軽に会えるわけがないのだ。
“運命”というものがあるのなら。それが俺たちを導かないかぎり無理だろうな……と一人寂しく思った。