婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
パトリックはその言葉を聞いて、その場で膝を折った。
髪をぐしゃぐしゃと掻き回し首を振って、想像とは違う反応に違和感を感じていた。


「パトリック殿下、今日はなんか変ですよ?さっきからどうかしたんですかぁ?」

「終わりだ…………俺は、もう……!!全て、ドウェインのものなんて……!」

「あっ、ドウェイン殿下って、とっても怖いんですね……!私が出したお花も全部枯れちゃったし、毒のガスで出来た蛇に襲われたんですよ!?マデリーン様が止めてくれなかったらどうなっていたか」


パトリックはドウェインの話になると、いつも「役立たず」「出来損ない」「王家の恥晒し」と言っていた。
その言葉の意味がやっと今日、理解する事が出来たのだ。

(ドウェイン殿下は怖い人だったんだわ!パトリック殿下の言う通りだった……あの髪色も瞳の色もまるで悪魔みたいだもの)

けれど、マデリーンとドウェインは仲が良さそうに手を握り合っていた。


「でもマデリーン様はドウェイン殿下が好きなんですかね!」

「ーーー!?」

「なんかよく分からない事を言いながら二人で抱き合っていましたよ?」

「…………ぁ」

「とても仲が良いんですね……!でもマデリーン様もすぐにお相手が見つかって良かったですねっ」

「…………おれは、っ……なんで……」
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