恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
叔父の言葉が耳に痛かった。
 きっと秘書の菊池さんから絢斗の家での暮らしぶりを聞いてるのだろう。
 絢斗の家で歩は楽しそうにしている。
 その証拠によく笑うようになった。
 多分、精神的な負担が軽減されたからだと思う。
 今まで姉弟ふたりで暮らしてきたけれど、私が倒れたらどうにもできない状況にあった。
 でも、今は絢斗がいて精神的なゆとりができた。
 家に大人の男の人がいるだけで安心感が違う。
 歩も私と同じように感じているはず。
「わかってる。でも、一条くんの家で暮らしているのは一時的なことだよ。いい物件が見つかれば引っ越す」
「お前、もう充分すぎるくらい現実をわかってるだろ? お前の給料で歩とふたりで暮らすのは無理があるぞ」
「ああ~、もうそれ以上言わないで!」
 働いても働いても暮らしは楽にならない。
 歩に習い事だってさせたいのに、私の給料だけでは生活するのがやっと。

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