恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 個室は四畳半ほどの広さで四人がけのテーブル。
 テーブルや椅子はアンティークを揃えていてシックな雰囲気。
 峯岸が俺を見て相好を崩した。
「一条くん、忙しいのにごめんなさいね」
「いや、気にしなくていい」
 俺も着席すると、店員にメニューを渡された。
 先にメニューをもらっていた彼女に「なにか決まった?」と尋ねる。
「本日のランチにするわ。無難でしょう?」
 峯岸の言葉に小さく相槌を打つ。
「そうだな。では、俺も同じものにする。飲み物は?」
「この後、仕事の打ち合わせがあるから、炭酸水で」
「わかった」
 峯岸の目を見て頷き、店員に注文を伝えると、彼女に目を向けた。
「俺への手紙があるって秘書から聞いたが」
「ふふっ、一条くんってホント無駄話しないわよね。すぐに本題に入るんだもの」
「そういう性分なんだ。気を悪くしたならすまない」
「そういうところ好きよ。涼太なら本題がなんだかわからないくらい無駄話しちゃうけど」
 
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