恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
「うん。エレベーターの前でバッタリ会ったよ。歩も一緒ですごく驚かれたけど」
 最初、親子に見られたんだよね。
「でしょうね。私はよくわからないって誤魔化したけど、美鈴にコンタクトとってくるかもよ」
 咲が心配するが、私は笑い飛ばした。
「あはは、まさかあ」
 彼女は私の連絡先を知らないし、私も彼女の連絡先を知らない。
「もうちょっと危機感持ちなさい。あんたがそんなんじゃあ、副社長にも一言言っておいた方がいいかもしれないわね」
 咲なら本当に絢斗に連絡しそうだ。
「必要ないよ。まだなにもされてないもの。それに絢……一条くんは忙しいからやめてよね」
「なにかあってからじゃ遅いんだからね」
 ジーッと私を見据える彼女の背中をトントン叩いてなだめた。
「はいはい。わかってます」

 それから数日は平穏に時が過ぎて、峯岸さんのことも忘れていた。
 今日は仕事納めの日で午前中はデスクワークに追われた。
「美鈴、ランチなに食べる?」
 
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