恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
美鈴は一瞬呆気に取られた表情をして、みるみるうちに青ざめていく。
 ああ。やっぱり、俺のことに気づいていたんだな。
 美鈴を見ていたら、宝生さんが憤慨して俺と美鈴を睨みつける。
『こ、こんな侮辱、信じられないわ! 帰らせてもらいます!』
 テーブルにセットされているフォークやナイフを振り落とすような勢いで宝生さんは部屋を出て行く。
 もちろん止めはしない。
 予想通り、いやそれよりも早く見合いの方は片がついたな。
 俺としてはどうして美鈴がレンタル彼女なんかやっているのか知りたい。
 メガネはかけていないが、彼女は高校時代と同じで真面目なところは変わっていないように見える。
 もし彼女が生活に困っているなら、援助してもいい。
 なぜだかわからないが、美鈴がレンタル彼女をする姿を見たくなかった。
 もう俺が彼女の正体を知っていることはバラしたし、どう聞き出そうか。
 そんなことを考えていたら、美鈴が遠慮がちに俺に声をかけた。

 
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