恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
「芹沢さんが副社長と同級生だったって話をしてて、だったら白井さんと副社長も同級生かなって聞いてたところです」
 木村くんの説明を聞いて、咲がコクッと頷いた。
「ええ。そうよ。でも、私はあまり話したことなかったわ。美鈴はよく副社長と話してたわよね?」
 彼女が私を見て意味深に微笑む。
 実は昨夜、私のことを心配した彼女からLINEが来た。それで、ホテルで一条くんと会ったことや、一夜一緒に過ごしたことも白状させられたのだ。
「生徒会絡みでね。プライベートの話は一切しなかったよ」
 親しくなかったことをアピールするが、彼女はクスッと笑った。
「あの副社長と話をするだけでもすごいわよ」
「確かに」
 木村くんがすかさず相槌を打つ。
 まあ、一条くんは高校時代『氷帝』と呼ばれてて、クールで自分にも人にも厳しく、気安く話しかけられる人じゃなかったものね。
 女子学生も遠巻きに憧れてる感じだった。
 そんな人と同衾って……。
 
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