目の上の義母(たんこぶ)
朝からなんの用だと思って電話に出てみたら――。


〈次はいつ、こっちにきてくれるのかしら?〉


そんな、メッセージで済むような内容の電話だった。


お義母さんも専業主婦で、わたしも専業主婦。

わたしのことも暇とでも思っているのか、そういったどうでもいい電話は度々ある。


〈…そうですねぇ〜。まだ翔平さんと話せてなくて…。予定が決まりましたら連絡させてもらいます〉


…って、3日前にもそう言ったんだけどな。


わたしは聞こえないようにため息をつくと、電話を切った。


翔平の実家までは、車で1時間ほど。

孫がいるわけでもないのに、月に数回顔を見せにいかなければならない。


翔平曰く、お義母さんも寂しいんだとか。


翔平には、3つ下――。

つまり、わたしと同い年の弟がいる。
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