目の上の義母(たんこぶ)
挨拶というよりは、尋問のようだった。


でも初対面だし、これから家族になるのだと思って、わたしも笑顔を絶やさずに受け答えをしていた。


そのうち、わたしの仕事の話になり――。


「となると、陽葵さんはいつお仕事を辞められるの?」


まるで、結婚したら仕事を辞めるのは当然と言ったような口ぶりだ。


「…あっ、いえ。仕事は結婚しても続けるつもりです」

「え?どうして?べつに、翔平のお給料だけでも暮らしていけるでしょ?」


いや、それはそうなんですが…。


口をついて出てきそうになった言葉をなんとか飲み込む。


お義母さんの言うように、翔平の給料だけでやっていけないことはない。

でも、将来子どもが1人、2人と増えたらお金もかかるし、マイホームだって建てたいし。


そうなると、わたしも仕事を続けることに越したことはない。
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